こんにちは、せいです。生物系研究者から会社員として働いています。
私は2021年8月現在、外資系IT企業2社、医療系ベンチャー1社で働いた経験があります。
その経験から、今回の記事では初めて勤める会社は日系、外資系、ベンチャーのどの企業がいいのかについて書いていこうと思います。
日系企業には務めたことがないので、周りの日系企業勤めの方に聞いた話をもとに紹介をしていこうと思います。
前提として、今回紹介するのは大手の外資系IT、創業10年程度の医療系ベンチャー、大手の日系企業をイメージしています。
「ベンチャー企業が一番成長できるんでしょ?」
「外資系企業はいきなりクビになるらしいから怖い」
「日系企業は保守的なんでしょ?」
こんなふうに思っている人たちにぜひ読んでもらいたいです。
企業による違いはどこか?
どこの企業で働きたいのかという優先順位は、人それぞれの価値観によって異なってくると思います。日系企業なのか、外資系企業なのか、ベンチャー企業なのかでどんな違いがあるのか、私の経験や話を聞いた内容を踏まえて紹介していきたいと思います。
研修は充実しているのか?
新卒入社の場合でもアカデミアから初めて企業で働く人も、まずはビジネスマナーの基本を身につけたり、入社をした会社はどういった特徴があるのかを学んでいく必要があります。
ビジネスマナーを重要視しない人もいますが、何事も基本を知っておくことに無駄なことはないと私は思います。
企業によってはそこまでマナーに厳しくないところもありますが、例えば国を相手にした仕事を行う場合、マナーの悪さでプロジェクトがなくなる可能性はゼロではありません。
私はこれまで、外資系企業とベンチャー企業に勤めてきましたが、研修という点ではベンチャー企業は全くといっていいほど充実していませんでした。
私が働いていたベンチャー企業では、まず新人研修やOJT研修は皆無でした。年に一度、動画やセミナーの研修に参加することが必須だったくらいです。
しかし、動画はまるで昭和の雰囲気、セミナーは管理職レベルの方しか受講することができませんでした。
一方で、外資系企業は新人研修やOJTがあり、さらに社内のツールとして自主学習ができる仕組みがあります。
私は中途採用枠でしか研修を受けたことがないのですが、1人で黙々と動画を見る研修だったベンチャーとは違い、同期入社の人たちとのグループワークもあるため、アウトプットの場があることはとても良かったなと思います。
自主学習ツールとしては、英語学習、業界知識の学習、職種別の学習、ビジネススキルの学習など多岐にわたります。
よく、外資系企業の研修はいまいちだと耳にしていましたが、想像以上に充実していて驚きました。
日系企業も研修がとても充実しているそうです。特にOJTに力を入れている場合が多いということでした。
また、研修に特化しているような企業と契約をしており、自分が伸ばしたいスキルや知識を身につけられる研修を受講することができるそうです。このことから、日系企業も研修が充実していると考えられます。
しっかりと基本を身につけて会社員として働きたいと思っている人は、外資系企業や日系企業を候補にしてはどうでしょうか?
年収は高いのか?
働く上で年収が高いかどうかを基準にしたい人も多いと思います。
年収を考える上で大切にしたいことは、基本給と賞与です。
基本給は毎月もらえる固定給のことで、賞与はいわゆるボーナスのことで自身の評価や会社の業績によって変動する給与をさします。
年収とは基本給+賞与で大体は決まります。年収が高くても、基本給が高いのか賞与が高いのかを確認してみてください。
基本給が年収の多くを占める方が、自分でコントロールできない影響(会社の業績や外部環境の変化など)に年収が左右されないので、より安定した生活を望む人は基本給が高い企業を目指してみてはいかがでしょうか。
外資系企業は賞与が年収の多くを占めることが多いです。私が勤めていた外資系企業では、賞与は年2回、それぞれ月給の3ヶ月分でした。
一方で、ベンチャーは基本給が年収のほとんどを占め、賞与は年1回の1ヶ月弱分でした。年収自体は割ともらえていたので、給与面での不満はあまりありませんでしたが、賞与をもらえる楽しみはほとんどありませんでした。
日系企業は、ベンチャーと外資系企業の間くらいだと考えられます。
このように、基本給が年収を占める割合が高い場合、賞与のもらえる楽しみは減ります。そういった楽しみが欲しい人は基本給だけでなく賞与がどのくらいもらえそうかも確認してみてもいいかもしれません。
日系企業、外資系企業、ベンチャー企業での年収は、前述のように基本給と賞与の占める割合が異なります。年収の高さは外資系企業が高い傾向にあります。日系企業では、博士卒と修士卒の給与はそれほど変わりません。しかし、年収は企業規模や日系か外資かというよりは業界に大きく依存します。
さらに年収について知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
福利厚生は充実しているか
私がこれまでの会社員経験から、外資系IT企業とベンチャー企業を比較すると、外資系企業の方が福利厚生はいいイメージがあります。
福利厚生は前述した年収にも関わってくる部分で、例えば、ベンチャーでは家賃補助はありませんでしたが、現職の外資IT企業では賃貸でも持ち家でも家賃補助が出ます。以前勤めていた外資IT企業は補助がありませんでしたので、外資系企業であっても会社によって違いがあります。
大手の日系企業でも家賃補助が出る場合があるので、確認してみてもいいかもしれません。一方で、日系企業は地方への転勤の可能性もあるため、転勤の有無に関してもきちんと確認しましょう。
有給休暇に関しても、ベンチャー企業はそもそもの日数が少なく、翌年へ持ち越せる日数も少なかったです。外資IT企業では、有給休暇は年20日ほどあり、持ち越しの規定もありませんでした(正確には年間で最低でも取らなければいけない日数が法律で決められています)。
外資系企業とベンチャー企業はお盆休みを含む夏休みはありませんでした。また、外資系企業のアメリカ支社の場合はクリスマス休暇があったりするのですが、日本の場合はクリスマス休暇はありませんでした。
一方で、日系企業は、ベンチャーや外資系企業よりも有給休暇が多いイメージです。お盆休みがある企業もあるらしいです。
また、日系企業の多くは退職金がありますが、私が勤めていた外資系IT企業やベンチャー企業は退職金がなく、企業型確定拠出年金で資産運用をするという形でした。
このように、日系企業、外資系企業、ベンチャー企業の福利厚生を考えると日系企業が一番福利厚生が充実しているかなと思います。
裁量はあるのか?
裁量があるというのは自分が考え、判断をし物事を進めていくことができるのかどうかということです。
どんな企業も何でもかんでも自分の好きなようにはできませんが、企業によっては裁量の有無は異なります。裁量があるかどうかは企業によってもちろん異なりますが、外資系企業やベンチャー企業がより裁量があると感じています。
外資系企業は自分の意見を言わない人には仕事がきませんし、ベンチャー企業も自分で考えて動くことが求められます。
一方で、日系企業はまだ年功序列の色が濃く、なかなか自分の意見を通すのは一部の企業を除き難しい部分があります。
裁量を持って仕事をする方法として、社内でポジションを上げていくことが考えられます。しかし、日系企業では次のポジションに上がりたいと思っても、ポジションの人数が決まっていたり、年齢によって昇格できるかどうかも決まっている場合があります。
このように日系企業では裁量のあるポジションになることも難しいのですが、外資系企業やベンチャー企業は実力主義なことが多く、若くしてポジションを上げていくことができます。
もし、裁量を持って仕事がしたい、若くてもポジションを上げていきたいという思いがある人は参考にしてください。
「外資は予告なしでクビ」「ベンチャーは最も成長できる」は本当?
「外資は予告なしにクビになったりするんでしょ?」
「ベンチャーは最も成長できるんでしょ?」
とよく耳にします。
実際に外資系IT企業2社、ベンチャー企業1社で働いてみて思うのは、外資系企業であってもいきなりクビにはならない、ベンチャーで成長できるかどうかはその人によると感じています。
外資系企業については、これまで仕事が全くできないだけでなく自社に不利益を与えるような同僚がいましたが、その方もクビにはならず、最終的には大金を積まれて辞めていきました。(通常退職金をもらえない会社です)
昔は、定時に急に会議室に呼ばれ、上司からクビ通告を受け、翌日会社のセキュリティカードが使えなくなりオフィスに入れなくなったという事例がある会社でしたが、結局社員に訴えられて会社の方が裁判に負けました。
外資系企業といえど、日本支社などで働く場合は日本の法律で守られます。そのため、不当な解雇はできないので、「外資系企業はいきなりクビになる」ということはありません。
「ベンチャー企業は最も成長できる」という点はどうでしょうか?
ベンチャー企業は、大手企業とは違い研修を含め社内システムが成熟しきれていないことが多々あります。そのため、初めての会社であっても研修以外でビジネスの基本や会社独自の働き方などをキャッチアップしていく必要があります。
ある意味、こういった主体的に動くという点がベンチャーで成長できる部分でもあるのですが、個人的には社内システムがいまいちな部分で労力を払うのはもったいないなと思います。
会社員で身につけたいのはいかにお客様に価値提供できるかです。
そのため、自分が提供できる価値を作るための経験や知識を身につけることにできる限り時間を割いた方がいいと考えています。
一方で、面白い技術や素晴らしい価値提供をしているベンチャー企業はいくつもあります。そのため、ベンチャー企業に入れば成長できるというよりは、どういった事業をしている企業なのかという点と自分に合った企業なのかを考えることが大切だと思います。
結論、自分が成長できるかどうかは環境に左右される部分はあるにせよ、自分自身がどういった目的意識を持ち自分ごととして捉え仕事ができるのかがより重要だと私は考えています。
そのため、日系企業だろうが外資系企業だろうがベンチャーだろうが、上記の心持ちでいることができればどの企業だろうと成長することは可能です。
自分に合った企業を考えよう
日系企業なのか、外資系企業なのか、ベンチャー企業なのかを選択する際のいくつかのポイントを紹介してきました。いくつか特徴はあるものの、企業選択で大切なことは、自分がどういった価値観を持ち、何を大切にしているのかだと思います。
どんな企業であってもいい面もあれば悪い面もあります。そういった時に何を基準に企業を選択するのかという優先順位をつけることが大切です。
私は給与面ややりたいことができるかどうかを基準にしていますが、給与よりもプライベートを充実できる企業がいいという人もいます。
どちらがいいかということではなく、自分の生活スタイルや自分らしく生きられる企業を選べるかが大切です。
ぜひ、自分はどういう人間なのか、何を大切にしたいかを考えてみてください。
おわりに
今回は、初めて勤める会社はどういった企業がいいのかについて、これまでの私の経験を踏まえて紹介しました。
日系企業、外資系企業、ベンチャー企業のどれが一番いいかということはありません。
自分がどういった価値観を持ち何を大切にしているのか、自分に合った企業を探すことが大切です。
そのため、同じ会社で働き続ける必要もないと私は思います。
もし、転職をしようと考えている人は、以下の記事も参考にしてください。
私の経験上の話なので、全てのベンチャー企業や外資系企業に当てはまるわけではありませんが、何か少しでも参考になると嬉しいです。
それでは、また。
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