博士課程を乗り切るためのメンタル維持方法

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こんにちは、せいです。生物系研究者から会社員として働いています。

今回の記事では、博士課程を乗り切るためのメンタルの維持方法について書いていきます。

多くの博士課程の学生がおちいるのがメンタルダウンです。

私も例外なく、博士課程の1年目からうつ症状に悩まされ、結局寛解までに数年の時間を要しました。この時間は、精神を守ることの大切さを知る上では貴重な時間でしたが、博士課程という時間的に追い詰められる時期には大きな痛手となりました。

これから博士課程に進もうと思っている人、博士課程にすでに進んでいて精神的にきついなと思い始めている人にぜひ読んでいただきたいです。

もし、既に精神的に何かしらの変調を感じている方は、以下の記事を読んでいただければと思います。

学校/会社に行くのが辛い。。鬱かなと思ったら取るべき4つの行動【早い対応が必須です】
これらの症状に当てはまったらうつの可能性があります。少しでも早く素の自分を取り戻すために取るべき行動を紹介します。

私がメンタルダウンを経験した経緯

まず、私がメンタルダウンを経験した経緯を書いていこうと思います。

メンタル維持方法を知りたい方は次の章を読んでください。

私は、博士課程から5年一貫制の大学院大学に3年次編入という形で進学をしました。入った研究室はある研究領域では世界トップレベルで、私も世界で活躍できる研究者になりたいと思い、そこの研究室に入りました。

この年はとてもついていなくて、研究室に入る直前に交通事故に遭い、入ってからも1ヶ月後空き巣に入られました。研究以外の面でも気が付かぬうちに精神がすり減っていました。

そんな状況で、新しい研究室での生活が始まったのですが、入って早々教授から同期入学の子と差別をされ始め、アカハラが徐々に始まりました。

「やめちまえ!」

と毎日のように怒鳴られ、ラボミーティングでは皆んなの前で毎回吊し上げにあいました。

そのうち、

(こんな有名な教授に言われるのだから、私はダメな人間だ)

と思うようになりました。

また、研究も以前やられていた方のデータ整理が無茶苦茶で、遺伝子組み換え体の作り直しからデータの取り直しと、とにかく地味で結果の出ない時間のかかることからスタートしました。

実験はうまくいかない、教授には怒鳴られる・・

徐々に夜眠れない、朝は起きれない状態になっていきました。

そんな時、体調を崩し、もしかしたら生死に関わる大きな病気かもしれないという状況になりました(結局病気は大丈夫だった)。

「研究者としても人間としてもダメ」

「このまま病気で死ぬかもしれない」

「私は何のために生きているんだっけ」

と思うようになり、完全にメンタルがおかしくなりました。

この頃には全く眠れなくなり、朝も起きられず、何とか研究室には行くけど、何もせずに家に帰るという状態でした。周りからは「無駄な時間を過ごしているよね」と言われるようになりました。

動きたくても動けない

やりたくてもやれない

本当に惨めな時間でした。

こんな状況に誰にもなってほしくないので、次の章ではメンタルダウンしない方法について書いていきたいと思います。

博士課程でメンタルを維持する方法

前述のように、私はメンタルをダウンしてしまった経験から、どうすればメンタルダウンせずに済んだのか?を考えました。その具体的なメンタル維持方法を紹介していきます。

規則正しい生活リズム

研究に集中しすぎると寝食を忘れて研究に没頭してしまうことがあります。

生物系の研究をしている場合は特に、生物の成長の具合によって研究をしていかなくてはならず、時には一度帰宅をしてから深夜に研究室に戻ってきたり、深夜まで実験をし仮眠をして早朝に再び実験を開始するということがあります。

実験をすればするほどデータが溜まり、何が言えるのかが分かればわかるほど、ますます実験をしたくなります。

しかし、こういった生活を続けていけばいくほど、睡眠時間がどんどん削られ、結果、判断能力や思考力が低下していきます。

判断能力や思考力が低下すると、ミスが多くなり行う必要のない実験を組んだりと効率な実験を行うことができなくなる可能性があります。

実験計画をどう組むのかというのも研究の力がつく部分です。

生活リズムが最近崩れている、睡眠時間がほとんどないという人は、一度実験計画を見直し、生活リズムを崩さないような方法を考えてみてはいかがでしょうか。

定期的な屋外スポーツ

うつ症状に悩んでいる人は、日光を浴びることと運動をするのがいいということは様々なところで言われていますが、屋外で運動することがその両方を満たすことができます。

特に有効であると言われているのは有酸素運動です。

私がメンタルダウンをしてから行っていたのは登山でした。自然に触れ、美しい風景を見ながら有酸素運動をすることは、私の精神を安定させる上で非常な重要な経験になりました。

一方で、登山は毎年多くの方が滑落をしたり道迷いをしたり、死亡事故や大きな怪我につながる運動でもあります。もし私のように自然の中での有酸素運動を楽しみたい人は、ハイキングや近場での散歩などを楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、一人ではなく誰かと一緒に運動をすることは、精神面を安定させる上で大切です。

最近、リモートワークで誰とも話さずに1日が終わるということがあるのですが、これが何日も続くと結構寂しいですね(笑)

地域のコミュニティで社会人が参加できるスポーツだったり、スポーツのスクールがあったりもするのでそういったところに参加をし、会話を楽しみながらスポーツも行うのもいいと思います。

研究以外の友人を持つ

私が所属していた研究室は国立の研究所にあったため、学生は全て博士課程の方でした。

研究に対し没頭をし成果を出し続けていくような優秀な学生がいる一方で、自分のメンタルを保つため、自分より弱そうな学生に対しマウントを取ってくる学生も残念ながら少なからずいます。

私はまさにマウントを取られるような学生だったので、なかなか同じ博士学生に対して悩みを打ち明けることができませんでした。

私のような立場の学生は特に、研究室や研究所、大学の外に友人を持つことは大切です。

研究の悩みを相談できるような友人でなくても、研究以外の話ができる相手がいるだけでも精神的にとても安定することができます。

研究を忘れられる時間を持つ

研究でうまくいかなかった時、研究室での人間関係で悩んでいるときには、研究室や研究のことを考える時間を減らし、自分の好きなことを考える時間に当てることが大切です。

私がメンタルダウンした時は、夜中寝るまで、朝起きてからずっと頭から研究室での出来事が頭から離れませんでした。

実験や人間関係に対する悩みが何もない場合は問題ないですが、自分が研究に対して辛いと感じるのであれば、少しでも考えなくて済むような時間過ごすようにしてください。

私の場合は、趣味の山登りをしているときは自然を楽しむこと、頂上を目指すことに没頭することができ、研究から精神的に離れることができました。

嫌な環境からは離れた方がいいというけれど、簡単に物理的に離れることは難しいことは多いです。

研究以外で没頭できること、好きなこと、友人と話すことなど精神的に研究から離れることを意識してみてはいかがでしょうか。

おわりに

博士課程に進む目的は研究に没頭し、成果をきちんと世の中に出すことです。

そのためには、研究以外の時間はあまり取りたくない、そのような時間は無駄だと感じるかもしれません。

元々精神的に強く、うまく気持ちの切り替えができる人はそうかもしれません。しかし、私がこれまで出会ってきた多くの博士課程の学生は、心を病み、回復するために年単位の多くの時間を費やしてきました。

研究成果を出すためにも、メンタルの維持には細心の注意を払いましょう。

すでに、今までと何かがおかしいと感じている人は、こちらの記事も読んでみてください。

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それでは、また。

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