研究職だけじゃない!博士号取得者オススメの職業とは?

研究生活
  • 研究が好きだったけど、アカデミアで生き残る自信がない。。
  • 博士号を取得したのだから、専門性を活かした仕事がしたい。。
  • アカデミアと研究職以外のキャリアがわからない。。
  • 博士課程までいくと非研究職では就職できない。。

こんにちは、せいです。生物系研究者から会社員として働いてます。

上記は、アカデミア時代に企業就職を決意した当時の私の悩みです。アカデミアでやっていく自信はないけど、専門性を活かして働くにはアカデミアか企業研究職しかないと思っていました。

また、同じようにアカデミアで生きている人たちも「博士号を取得したら、アカデミアか研究職以外ありえない」という風潮でした。

今思えば企業就職をしたことがない人たちが企業のことを知るはずはないのですが、当時の私は頼れる人がおらず、周りの考えに流されていました。またどう就職活動をしていけば良いのかすら分からず、不安な毎日を過ごしていました。

今回の記事は、当時の私のように、「博士=就職できないのか」「博士号を取得したらアカデミアか研究職しかないのか」「アカデミアからどう就職活動をしたら良いのか」と悩んでいる方々に読んでいただきたいです。

博士号取得者のキャリアとは?

博士号取得後の進路

博士号を取得した人達は、どのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか?博士課程まで進学してしまうと一部の優秀な人を除き就職できないといわれますが、本当でしょうか?

最新2020年の博士号取得者の進路を国の統計データより確認してみましょう。

博士号取得者の就職率は約70%。この数字からも、「博士=優秀じゃないと就職できない」というのはデマであることがわかります。

ちなみに、30%の方々はどうなったのでしょうか?さらに数値を見ていくと20%強は大学院への進学や一時的な職についた方、無職の方でした。残りの10%弱の方が不明(回答なし)です。

就職をした70%の博士号取得者はどのような職業についているのか見ていきます。

多くの方は、自分の専門を生かした医歯薬系の職についています。そのため、必然的に研究職でもアカデミアでも倍率が高くなります。非研究職は、アカデミアや研究職に比べて魅力がないのでしょうか?

キャリア別のメリット・デメリット

アカデミアのメリット・デメリット

アカデミアに残ることのメリットとデメリットはどのようなものがあるでしょうか?

メリットとしては、全く同じ研究を一生していくことはないにせよ、これまでの研究で培った専門性や能力はダイレクトに活かすことが出来ます。

また論文や学会発表などは、自分のこれまでの成果を可視化することが出来るのもアカデミアや一部の研究職ならではです。

自分自身が面白いと思う研究テーマを突き詰められるのも、会社員では出来ないことです。

一方で、アカデミアの道を進んだ場合、どういったデメリットがあるでしょうか?

まず皆さんご存知のようにポジションが少ないため、倍率が高く、行きたいポジションに入れるかはわかりません。

年収が高く安定したポジションは、一握りのトップレベルの研究者で埋まるため、多くの研究者は不安定で年収は低くなります。

大学時代、研究室の先輩は無給でポスドクをしており、バイトで生計を立てていました。苦労をして博士号を取得しても、アカデミアの世界にこだわるあまり、他のキャリアが見えなくなる方々をこれまで見てきました。一度視野を広げ会社員としての道を考えるのもいいかもしれません。

研究職のメリット・デメリット

研究職のメリットは、アカデミアよりも安定な会社員という立場で研究を続けられることです。アカデミアで培われた専門性も遺憾無く発揮できるでしょう。

一方でデメリットは、研究領域という狭い能力しか身につける事ができないからです。ある程度職位が上がれば、経営に近い仕事ができる可能性がありますが、40歳などそのくらいの年齢で、ビジネススキルを使うことになります。また、いざ転職をしようとしても同じような研究職につくことはできても、他の職種につくのは難しいです。

さらに一見、これまで培った専門性を活かせる職種であるように見えますが、会社の方針によっては自分の興味のない研究をしていかなくてはいけない場面も出てくるでしょう。あくまで研究職といっても一会社員ですので、会社の利益を上げなくてはいけません。

このように、専門性が生かせると思って入社しても、専門分野外の業務を遂行する必要性があります。

非研究職のメリット・デメリット

「非研究職は専門性を活かせない」「好きなことが出来ない」「そもそも内定が出ないんじゃないか」と、多くの博士号取得者は非研究職への就活を敬遠するかもしれません。

メリットとしては、アカデミアで培った論理的思考や課題解決能力を活かしながら、研究以外のビジネススキルを身につける事ができます。特にオススメの職業は、この後紹介します。

デメリットは、専門性を直接は活かす事ができない事です。しかし、この後お話しするように、今後会社員として市場価値を上げていくには、専門性×〇〇が必要であり、その経験を積むには、非研究職がよりいい職種になると私は考えています。

博士取得者オススメの職業

博士号取得者オススメの職業とは?

私はこれまで、

    外資系IT企業のライフサイエンス事業部のコンサルタント
    医療系ベンチャーでデータ解析と事業開発

というキャリアを積んでいます。

そんな私が博士号取得者にオススメしたい職業は【コンサルタント】です。

なぜコンサルタントなのでしょうか?

1番の理由は、アカデミアでは身につけることが難しいビジネススキルを広範的に身につけることが出来ます。

え、他の職種でもビジネススキルは身につくでしょ?と思われるかもしれませんが、他の職種とコンサルタントの違いは、多くの企業と仕事ができるだけでなく、多くのポジションの人と仕事ができる点があります。

また、今後会社員と活躍していく上では、専門性の他にビジネスを回すための力が不可欠です。私はコンサルタントで力を身につけ、現在ではアカデミアのトップクラスの理化学研究所の基礎科学特別研究員年収約584万円を超える年収を手に入れています。

博士号取得者にオススメしない職業とは?

逆に博士号取得者にオススメしない職業とはどのようなものがあるでしょうか?

体を使う職業や単調な作業を強いられる流れ作業など、これまで頭を使ってきた研究者には、強みである頭を使わないような職業は不向きです。

また、特に気をつけてほしい職業は、【派遣の研究職】です。研究職にこだわるあまり、研究職が惨敗した場合、選びがちな職業です。

まず、やりたいことはできません。年収が低いです。派遣ということで安定しません。

さまざまな企業で研究をしたいという方はにはいいかもしれませんが、上記の理由で私は他の職をお勧めします。

アカデミアからのオススメ就活術

それでは最後に、アカデミアから企業就職する場合のオススメの方法と、キャリア別(アカデミア、研究職、非研究職)の転職サイトをご紹介いたします。

次にご紹介するように、私は新卒採用ではなく中途採用枠での応募をオススメするので、【就活サイト】ではなく、【転職サイト】をご紹介します。

新卒採用ではなく中途採用枠で応募

特にオーバードクターや単位取得退学を経験している人は、そもそも新卒採用枠での就職活動が困難な場合があります。私もそうでした。新卒採用で応募をしようとしましたが、年齢的な問題で応募すらできませんでした。

そういう方は、ぜひ、中途採用枠での応募を検討してください。

え?社会人経験ないけど大丈夫なの?

と心配になる方も安心してください。実際私も社会人経験ゼロで中途採用枠での応募で内定を獲得しています。新卒採用よりも条件が広いので、チャレンジする価値はあります。応募せずに悩むくらいなら、一度試しに応募してみるといいと思います。

中途採用枠での応募のいいところ、新卒採用よりも給与が高いところです。新卒採用では修士卒も博士卒もそれほど初任給は変わりがありませんが、中途採用では職種によってはかなり高い給与をいただくことが可能です。

【キャリア別】オススメの転職サイト

最後に、キャリア別(アカデミア、研究職、非研究職)にオススメの転職サイトをご紹介します。

アカデミアの場合

アカデミアの転職サイトは、多くの方がご存知のJrecin一択ではないでしょうか?ポスドクだけでなく、大学教員の公募も調べることが出来ます。

しかし、アカデミア内での転職活動の場合、このようなサイトを利用するというよりは、直接自分の興味のある研究室や大学・研究所へ連絡することの方が一般的かなと思います。

研究職の場合

次に研究職を目指している場合です。

ポスドクや大学院卒に特化したサイトとしてアカリクが有名です。

しかし、個人的にはわざわざポスドクや大学院卒に特化する必要はないと思います。なぜなら、それだけヒットする求人が減ってしまうからです。

研究職も非研究職も転職活動という点ではほとんど変わりませんので、以下の非研究職の場合で紹介していこうと思います。

非研究職の場合

最後に非研究職のキャリアを積みたい人にオススメしたい転職サイトを紹介します。

まずは、リクルートエージェントです。言わずと知れた、リクルートが運営する転職サイトです。

このサイトのいいところは、エージェントが優れているというわけではなく、未公開求人を多数保持しているという点です。

エージェントは転職経験のない人が当たったりすることが多いので、リクルートエージェントは求人検索に使うといいです。

興味のある企業が見つかったら、企業担当の営業の方とつながれば、よりその会社の情報を詳しく教えてもらえます。

私が最もオススメするのは、ビズリーチです。これまでの転職活動は全てビズリーチで決めました。高年収を狙える求人もあります。

ビズリーチはエージェントプラットフォームの形態ですので、多数のエージェントと知り合うことが出来ます。

エージェントは合う合わないがあるので、多くのエージェントと話をして、自分に合う人を見つけてみてください。

私は、コトラSpringクリークアンドリバーでこれまで内定を獲得し、年収を上げてきました。どのエージェントさんも親身になってくれ、自信を持って転職活動を進めることが出来ました。

金融、IT、コンサル、製造業、エグゼクティブの転職支援なら【コトラ】

おわり

アカデミアから企業就職する場合は特に、情報があまりにも少なく、また、博士課程まで進むと就職がしづらいというデマによって、本当に就職できるか不安に思う方はいらっしゃると思います。

私がまさにそうでした。

そんな方々の少しでも役に立てたら嬉しいです。

コメント