こんにちは、せいです。生物系研究者から会社員として働いています。
2020年7月にグロービス経営大学院へ単科生としていくつかのクラスを受講してました。2021年4月には本科生として本格的に経営学を学んでいます。
今回の記事では、実際に経営学を学び始めて、博士号取得者こそ経営学を学んで欲しいと感じたことを書いていきます。
経営学の大学院へ通い始めて良かったなと思うのは、ビジネスに直結する経営学を学べるだけでなく、さまざまなバックグラウンドで年齢もバラバラの方々と知り合えることです。
とはいえ、ビジネススクールに通うには安いとはいえないお金が必要になります。
会社員として働き始めたけどビジネスのことがよくわからない。
もっと網羅的にビジネスを学びたい
人脈を広げたい
と思っている人にも役立つ情報かなと思います。
また、そんな大金払えないという方にも、お金に関することを書いているので、ぜひ最後まで読んで欲しいです。
私がMBAを取ろうと思った理由
私がMBAを取ろうと思った理由は、ビジネスの土台をしっかり作りたかったからです。
生物系研究者から会社員になってみて、1番キツイなと感じたのは、ビジネスのことを何も知らないと痛感したことでした。
私の場合、浪人やオーバードクター、研究員を経験しており、会社員になった頃には30歳になっていました。
30歳といえば、大卒で就職していれば10年近くのキャリアになります。恐らく、個人というよりは部下を育てたり、チームとしてどう案件を成功させるのか?というポジションになっているでしょう。
同世代の方々が着実にステップアップしていく中で、私はビジネスの基本のキもわかっていません。
そんな自分の状況に愕然としました。
また、初めての会社は博士号取得者が少なく、かつ、非研究職に就いたこともあり、博士に対する偏見が少なからずありました。
当時はとても悔しい思いをしました。が、こういった状況を打開するには、とにかく成果を出すしかありません。
結果として、2年で仕事の成果が認められ昇進することができました。ただ、会社員の時間だけでビジネス経験を積んでいくには、あまりにも時間がかかることも同時に気が付きました。
最短で、網羅的にビジネスを学ぶにはどうしたら良いのか?
そこで、経営大学院へ入学し、ビジネスを網羅的に学ぶことを決心しました。
なので、正確にはMBAを取ることが目標というよりは、最短距離でビジネスを学び、その学びを実務に活かすことで会社員としての存在価値を高める、さらに科学を社会実装するためのビジネススキルを身につけることが、経営大学院に通う大きな動機になっています。
経営学を学ぶ魅力とは?
経営学を学ぶ魅力とはどういったものがあるでしょうか?
元々経営大学院へ通うことの目的は、研究ばかりしてきたので全く無知だったビジネスを学ぶことでした。一方で、実際に経営学を学んでいると以下のように様々な魅力があることがわかりました。
- ビジネススキルを網羅的に学べる
- 視野が広がる
- 人脈が広がる
- 起業のチャンスが広がる
- タイムマネジメントの強化
- 知的好奇心が満たされる
どういうことなのか?順番に書いていこうと思います。
ビジネススキルを網羅的に学べる
繰り返し書いていることですが、経営学はビジネスを網羅的に学ぶことができます。
会社員で働くことでビジネスは実践から学ぶことができます。一方で、会社員として働くと、自分が就いている職種によって身に付く知識や経験は限定的になってしまいます。
しかし、例え一生同じ職種で働こうと考えている人であっても、ポジションが上がるほど自分の職種で培われた能力以外にも必要な能力が出てきます。
このような能力を必要になった時に学び始めるのは、変化の激しいビジネスに対応していくことが難しくなると私は感じています。
あらかじめ網羅的に学ぶことで下地を作っておくことは、必要になった時に学び始める場合に比べて知識やスキルの習得の速さが変わると感じています。
このような点でも、ビジネスを網羅的に学ぶことは経営学を学ぶ魅力だと思います。
視野が広がる
研究者として働いていた頃は、研究という領域では視野を広く持つことができ、自分の専門分野外であっても自分の研究にとって役立ちそうなことは取り入れたりしていたので、私は視野が広いと思っていました。
しかし、会社員として働き始めて、博士は「研究」領域に関しては視野が非常に広い一方で、それ以外の領域、ビジネスに関しては視野がとても狭いことを思い知らされました。
これは、前述のようにビジネスのことを知らないという点が大きいと思います。研究に関しては、四六時中研究のことを考える日々を何年もの間繰り返してきました。そのため、自分自身の専門領域はもちろん、専門外であっても高く的な視点で物事を見ることができていたと思います。
一方で、会社員になってビジネスは研究とは経路が違う領域だと思いました。そのため、研究と同じような視点でビジネスはできません。ビジネスの領域に対応するには、まずはビジネスの知識をつけること。
視野を研究領域だけでなく、ビジネスの領域まで広げることができるのも、経営学を学ぶ魅力だと思います。
人脈が広がる
経営大学院を元とするビジネススクールは普通の大学院とは異なり、様々なバックグラウンドで、様々な年齢層、様々なポジションの方々と同じ環境で学べることも非常に魅力的です。
実際に私が現在知り合ったのは、20代のエンジニアから50代の営業部長まで様々です。こういった方々と知り合うことで、これまで自分の常識だったことや価値観に少しずつ変化が生まれたなと思います。ポジションの違いによっても、悩みが異なることを知れたのも面白い点です。
そういった仲間は、自分が所属する経営大学院以外でも見つけることができます。
私が通っているグロービス経営大学院では、他の大学院で経営学を学んでいる方々と交流するクラブがあります。そのため、そういった大学院の枠に縛られずに人脈を広げることができるのも魅力的ですね。
また、経営学を学んでいる学生が参加できるコンペティション、日本ビジネススクール・ケース・コンペティション(JBCC)というイベントによって、大学院での学びを実践するだけでなく、広げた人脈をより強固のものにすることができます。
JBCCでは毎年異なるケースに対し、ケースの主人公である経営者視点でどのように経営課題を解決していくのかを考え発表するチーム戦のイベントです。経営大学院で学ぶことのデメリットは、それぞれのクラスの学びをどう繋げていくのかという点です。
JBCCのケースでは、個々のクラスでの学びの総力戦であるため、経営学の学びをどのように実務で生かしていくのかのイメージがつきやすいです。
また、チーム戦であるため、経営大学院で知り合った仲間とより学びを深め、メンバーの価値観に触れることで異なる視点で課題を見ることができ、さらにメンバーとの仲も深まります。
私自身も2021年のJBCCに参加する予定です。
これまでの学びがどう経営に生かされていくのか、今からとても楽しみです。
起業のチャンスが広がる
経営学を学ぶ方々の中には、自社でのキャリアアップを目指す人の他に、経営者として会社をどうより良く運営していくのか考える人たちや今後は起業したいという人たちもいます。
人脈が広がることにも通じるのですが、そういった方々と知り合える環境は大きいです。
刺激を受けることはもちろんなのですが、同じような志を持った方々とつながることで、その人たちと事業を起こすチャンスにもなります。
実際に、私自身もとある事業で起業したいと考えている方々と知り合いになり、定期的にミーティングを開き、どのようにサービスにしていくのか?という話になっています。
個人で起業する方も多くいらっしゃいますが、仲間を作っていけることも経営学を学ぶ魅力だと思います。
タイムマネジメントの強化
経営学大学院へは、少数の方々を除き、働きながら通います。
私のようにビジネスを全く知らない人たちにとっては、授業一つ一つがハードです。また、もちろん予習、復習は欠かせません。
さらに、クラスごとに勉強会を行い、個人だけでなくクラスメイトと一緒に疑問点を解決していく時間も確保していきます。コロナの影響で対面は難しいですが、時には懇親会を開く交流を深めていきます。
このように、経営学を学ぶにはいかに効率的に勉強していくのか、業務をこなしていくのかが非常に重要になります。
ビジネススキルが身につくだけでなく、このようなタイムマネジメントも必然的にみについていくのも経営学を学ぶ魅了なのではないでしょうか。
知的好奇心が満たされる
意外に思われるかも知れませんが、経営学を学ぶことは知的好奇心がくすぐられます。
博士時代は、会社人として働くことに魅力を感じていませんでした。知的好奇心を満たすのは研究者しかないと思っていました。そのため、大きな挫折をしてして研究者を諦めて会社員として働くことになった時は、愕然としました。
しかし、実際に会社員として働き始めると、同じ業界のお客様を相手にしていても会社によって、その人によって何によって心が動かされるのかが違います。
そういった人の心をどう動かしていくのかという点だけでも、経営学によって学ぶことができます。
経営学も研究だから知的好奇心がくすぐられるという点もあるのかも知れませんが、ビジネス自体がとても奥が深く、知れば知るほど興味深いということを経営学を学ぶことで気がつくことができました。
私が通っているグロービスでは、大きくヒト・モノ・カネに分類し経営学を学びます。人の心をどう動かすのか(ヒト)だけでなく、お金の動きやものをどう売っていくのか(マーケティング)ということも深く学ぶことができるのも面白いですね。
実際に、経営学の学びを実践しましたが、自社で元々考えていた方法とは違うマーケティング方法に対して、事業部長に示唆を与えることができました。
学びが実践で活かされ、成果が目で見えるのもまた経営学を学ぶ魅力だと思います。
専門実践教育訓練給付金で補助が受けられる
経営学を学ぼうと簡単にいっても、学費がかなりかかります。
学費を少しでも抑えたいと思うのであれば、国公立の大学院をオススメします。
以下に、MBAが取得できる経営大学院の一覧を紹介します。
文部科学省の情報によれば、令和2年時点でのMBAが取得できる経営大学院は「ビジネス、MOT」に書かれている通りです(一部MOTやMPDの場合があります。ご注意ください)。
ただし、国公立の場合、経営学といっても学術を中心に学ぶ可能性があります。私のように学術ではなく、ビジネスに直結するような経営学を学びたい場合、私立の方がいいと言われています。
なぜなら、講師が研究者ではなく実際にビジネスで活躍した方が多いからです。国公立なのか私立なのかどちらを選択するにせよ、何を学びたいのか、その大学院でそれが本当に学べるのかはしっかりと調べる必要があります。
私がグロービス経営大学院を選択したのは、ビジネスに直結した経営学が学べる(講師がビジネス出身者が多い)ことに加え、学生の多さ、オンラインと通学の併用ができる、単科生として入学前に単位取得ができる点で魅力を感じました。
ただし、グロービス経営大学院は私立なので高額な学費がかかるためかなり悩みました。
そこで知ったのが、「専門実践教育訓練給付金」です。
専門実践教育訓練給付金の支給額は、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)となります。
また、専門実践教育訓練の修了後1年以内に、目標として設定した資格を取得等し、雇用保険の被保険者となる就職をした場合は、教育訓練経費の70%(年間上限56万円)で専門実践教育訓練給付金を再計算し、既支給分の差額を支給します。
グロービス経営大学院でMBA取得を目指す場合、2年間で修了することが条件ですが、トータルで112万円が補助されます。かなり大きいですよね。
国の指定校になっている大学院であれば、この給付金は受けられるので、大学院に問い合わせてみていただければと思います。
お金で悩んで、経営学を学ぼうか悩んでいる方々は、こういった制度を利用してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回の記事では、博士号取得者向けにMBAを取得する魅力について書きました。
経営学を学ぶことは、博士号取得者以外にも大きな魅力になります。一方で、博士号取得者は、研究分野を極めるという経験をしてきた方々なので、経営学を学ぶこともとても魅力的に感じることができると思います。
きっと博士号取得者の知的好奇心もみたし、ビジネスの能力も向上すると思うので、経営学を学ぶことも人生の選択肢に入れてもらえればなと思います。
コメント